「────で、ここにXを代入して───・・・」 「薫さん、」 「・・・・・」 「薫さん、応答せよ」 「・・・・・なに」 一時間目の数学の時。 小声で隣にいる薫に話しかける。 もちろん薫は真面目に授業を受けているわけで、話しかけてくるあたしを鬱陶しそうに見る。 「薫さんは、恋愛なんてしたことありますか」 そう聞くと、眉間に皺を寄せた薫。 「え?もしかしてしたことない?初恋もまだ?」 そういうと、 「・・・・・してる」 と、再び黒板に目を向けてポツリと小さな声で言った。