「あ、じゃあ今帰るんだったら、」
そう渚月先輩が口を開いたとき。
「行くよ」
突然薫に腕を掴まれて引っ張られた。
「え、ちょ、薫!?」
そう言っても薫はこちらを見向きもせず、どんどんと自転車小屋に進んでいく。
「あ、すみません!!さようなら!!」
呆然とする先輩二人にそう言って頭を下げ、あたしは薫に引っ張られていった。
「・・・・・あーらら、まさかだったねぇ。優斗さん」
「・・・・・うん」
「あのライバルは手強いかもよー?」
「・・・・・そうかも」
あたしたちが去った後にそんな会話がされているとは、知るはずもなかった。

