「あと10秒で準備しないと置いて帰る。いーち、にーい、」 「わわっ、待って待って!!」 あたしは教科書やノート類を急いでカバンに詰め込んだ。 「お、終わった!!」 「おおー、9秒ギリギリ。よかったね置いていかれなくて」 しれっとした表情でそう言って、ドアの方へと歩き出した。 「なんだかんだ言って薫は優しいよねー」 そう言うと薫は、ちらりとあたしを一瞥し、 「なんでそう思うの?」 と言った。