「ん。てか、ちゃんと聞いとけよ」
視線は黒板に向けたまま話す彼は、冷たいにも関わらず毎回手助けをしてくれる。
「いやはや、薫さまさまですな」
ニシシ、と笑ってそういえば、
「キモ」
とのお返事。
大丈夫、こんなこと口では言ってるけど本気ではないから。
いやー、頭のいい人が隣の席だと助かるね。
そう思いながら、視線は無意識のうちに校庭へ。
その時、ちょうど上を見上げた優斗先輩とバチッと視線があった。
あわわ、ど、どうしよっ。
視線をそらすのもなんだかおかしい気がして、目があったままあたふたしていると、優斗先輩はニッコリ笑って手を上げた。
それに応えるように、急いで頭を下げるあたし。
「・・・・・バーカ」
そんな彼の小さな呟きは、あたしの耳に届くことはなかった。

