「あたしは~あなたが~好きなの!Hey!」




お気に入りの曲のサビ、一番盛り上がるところに入ったときだった。




いきなり目の前の角から人が出てきた。




もちろん、そんなこと微塵も予想してなかったあたしはそりゃもう驚いたわけで。




「ッギャ──────!!!!!」




壊れんばかりの握力で、ブレーキを握った。




キキ───────!!




甲高い音が、静かな通りに鳴り響く。




「っぶねー」




その声にゆっくりと顔を上げれば、見たことのな男子校生がびっくりしたように立っていた。




「ももももっ、申し訳ございませんんんん!!!」




上げた顔を再び深々と下げる。