「えーっと、珠菜ちゃん?」 だよね? 心の中で若干不安になりつつ名前を呼ぶと、ゆっくりこちらに近づいてくる。 顔が見れるほどの近さになった時、やっぱりその女の子は珠菜ちゃんと確認できた。 「もう放課後だけど、どうかしたの?」 机にかけてある自分のカバンをとりながらそう言うと、 「玲二のこと待ってた」 と言って妖艶に微笑んだ。 あー・・・・・この感じは、お誘いかな。 雰囲気で察した俺は、 「えー、何々?何かくれるの?」 と、わざと空気が読めないふりをする。