そもそもなんでこんな子に必死になってんだ?俺。 別にほっときゃいいのに。 そう思っても、どうしても気になる。 その時、 「結衣ちゃん」 と男の声が聞こえた。 その声の主をたどって行くと、一人の男子生徒の姿が。 「優斗先輩」 今まで一切変わらなかった結衣ちゃんの表情が、少しだけ微笑んだ。 ・・・・・は。 「この資料探してるんだけど、なかなか見つからなくて」 困ったように笑う優斗と呼ばれる男は、俺の方を見ると少しだけ会釈した。 「こっちです」 結衣ちゃんはそういうと、案内を始める。