その日は一日中スマホをポケットの中に入れて、ソワソワ落ち着かずに過ごした。
いつ、メールが来るかわからないから。
しかし、待っても待っても返信は来ず。
「これ、来るのかな」
ついに放課後になってしまった。
「だ、だーいじょうぶ。聖さんは来るって」
いかにも、大丈夫そうではないような雰囲気が漂う。
梨花も心なしか少しだけ冷や汗をかいているように見える。
「と、とりあえずさ、待ってみようよ。もしかしたら返信しないだけでちゃんと読んでるかもしれないし」
「·····うん」
来るか、来ないか。
不安の気持ちを持ったまま、あたしは待ち合わせ場所の喫茶店へと向かった。

