思っていたよりも時間は経っていて、すでに一限目は始まっていた。 授業中に教室入るのって、気が引けるんだよなぁ。 うーん、とドアの前で考えるも、ほかに行くあてもないので教室に入ることにした。 ガラッという音が静まり返った教室と廊下に響き渡る。 うっ・・・・・。 全員の目が一斉にあたしに向けられる。 「なんだ遠野、寝坊でもしたのか」 現国担当の中野先生が、チラッとあたしを見てそう言った。 「まぁ、そんなもんです」 「気をつけろよー」 「はーい」 返事をしながら席に向かった。