「咲、大丈夫?」 前の席に腰掛けながら梨花は心配そうに言った。 「え、何が?」 梨花の言葉に、パッと顔を上げると、 「工事終わりに近づくにつれて元気なくなってるから」 と言った。 「まさか。そんなことないよ。元気元気」 そう言って笑ってみせると、梨花はわざと大きなため息をついたあとに 「いい加減認めればいいのに」 と言った。 「え?何を?」 梨花が言いたいことは、なんとなくわかっている。