「はぁ、そうですか。あたしには逃げ切ったようにしか思えませんけどね」 自分でもなんて可愛げのない女なんだって思う。 たぶんこの人もそう思ってる。 「じゃ、あたし別のとこ探しますんで」 そう言って立ち上がろうとすると、晶はギュッとあたしの腕を掴んだ。 「う、わ!!?」 予想外の行動に驚きバランスを崩しかけたが、なんとか持ちこたえる。 「ちょっと、」 離して。 そう言いかけたとき、 「大丈夫」 と晶が言った。