「梨花、帰ろ」
「·····ん」
あたしたちは再び足を進めた。
──────···
「だーかーらー、何もないって!」
あたしは今日何度目かになるこの言葉を言った。
·····というより叫んだ。
「だってだって!!聖さんが咲のこと好きって言ってたじゃん!二人が話してるとこも見たって人いるし!」
はぁ、とあたしはため息をつく。
「ほんとに、何もないんだって。向こうも自分が助かるためだけにあたしを使ったんだから」
絶対、そう。
するとクラスの女子は不服そうな顔をしながらも席へと戻っていった。
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