「聖さん、絶対咲に気があると思うのに」
ブスっとした表情で梨花は呟く。
「いや、そうだとしてもね。ナイナイ」
呆れた表情でそう返す。
「あたしは優しい人が好みデス」
グッと親指を立ててそう言うと、
「理想の相手とはなかなか付き合えないんだよ」
と梨花はため息を吐きながら言った。
「そ、それはわかんないじゃん!!しかも、理想の相手が優しい人だったらあたし優しい人とは付き合えないことになるんじゃ、」
そこまで言ったとき、
「あ、おい」
と、いつもの声とは違う、少しだけ焦ったような声が聞こえた。
「・・・・・ナンデスカ」

