放課後。
「聖さん!!これ今日調理実習で作ったカップケーキなんですけど、よかったらもらってくれませんか?」
「あたしはクッキー作ったので食べてください!!」
聖さんの周りには、たくさんの女子の姿が。
その真ん中に立っている聖さんはというと、困った表情をしていた。
「うわー、あたしたちが話してるの見て話しかけようと思ったんだよね、あれ」
顔を引きつらせながら梨花が言った。
「親しくなれるチャンスだと思ったんだよ、絶対」
その言葉を聞いてあたしは、ふーん、と呟いた。
「ふーん、って!!あの中の誰かと聖さん付き合っちゃったらどうするの!?」
ガシッとあたしの肩を掴んでユッサユッサと梨花は揺らす。
「ちょ、だってあの中の誰と付き合おうがあたしには関係ないじゃん」
そう、あたしには関係のないことだし。
未だ揺らそうとする梨花の腕を掴み、止める。

