少しだけ疑問に思ったが、授業を受けているうちにそんなことは忘れていった。
「さーきー。今日バイトあるから一緒帰れないやー」
放課後、鞄に教科書を詰めているところに梨花がそう言ってやってきた。
「あ、うん。わかった」
「咲はサバサバしてるねぇ。もっと寂しい!!って思ってくれないの?」
あたしの腕に自分の腕を絡ませながら、梨花はそう言う。
「はいはい。寂しい寂しい」
「わー、なんて心のこもってない声」
もういいもん!!と言うと梨花はドシドシと足音を立てて教室を出て行った。
ま、あんなしてても次の日には普通に話しかけてくるしね。
あたしも鞄を持ち、教室をあとにした。

