「はぁー。心配した」




薫が出て行ってすぐに、優斗先輩はあたしの肩に頭を乗せて言った。




「え?心配って?」




「薫くんの方に行っちゃうんじゃないかって・・・・・」




小さく呟く優斗先輩に、




「そんなことしないですっ。あたしは優斗先輩が好きなんですから」




と言うと、優斗先輩はパッと顔を上げた。




「“それ”、いつまでするの?」




「それ?」




なんのことか分からずにキョトンとするあたし。




「その、“優斗先輩”って呼び方」




少しだけ拗ねたような表情の優斗先輩に笑みが溢れる。




「えー、だって優斗先輩は、優斗先輩じゃないですか」




あたしがそう答えると、




「優斗って呼んでよ」




と言って、拗ねたように首元に顔をうずめた。