教室を出て玄関へと向かっている薫のあとを追いかける。
「昨日はごめんね?優斗先輩たちがいたから話できなかったんだよね?今日は相談のるよ!!」
「・・・・・」
あたしが何を話しかけても無視してどんどん歩いていく。
「ねぇ、薫。機嫌直してー」
生徒の自転車置き場に着き、自分の自転車の鍵を外している薫に声をかける。
「ほんとに昨日はごめ、」
ダンッ!!!!
いきなり聞こえた大きい音と、背中に走った痛みにあたしはなにが起こったのか一瞬理解できなかった。
背中には壁、横には薫の腕、そして、正面には薫がいる。
「か、おる・・・・・?」
「俺、優しくないよ」
「え・・・・・?」
突然そう言われて、何のことだかさっぱりわからないあたしはどう返せばいいのかわからない。

