「言いたいことあるんだけど」
優斗先輩は少しだけ視線を泳がせながら言った。
「あ、すみません。今日の放課後は薫と帰ります。たぶん昨日何か相談があったと思うので」
そう答えると、パッと真剣な表情になった優斗先輩。
「歌菜ちゃんはさ・・・・・薫くんのこと、好きなの?」
「え!!?」
優斗先輩の言葉に驚くあたし。
「ななななんでそうなるんですかっ!!?薫は友達ですよ!!!」
それに、あたしが好きなのは優斗先輩です!!!
・・・・・なんてことは、口が裂けても言えない。
「そっか」
ポツリと呟いた優斗先輩は少しだけ黙ったあと、急に立ち止まった。

