ズキューーーーン!

突然の銃声、それとともに周囲がざわめき始めた。

私は我に返って、警戒体勢に入った。

しかし突然、背後から何者かに殴りつけられ、アッという間に気絶してしまった。

私は一瞬の出来事だったけれど、こう思った。

なんて情けないSPなんだろう・・・

意識が回復したとき、私は縛り上げられ、狭い場所に軟禁されていた。

何やら暗いところに隙間があるところを見ると、クローゼットか何かに閉じ込められているようだった。

隙間から見えるのは何やら小さなテーブルだった。

そして何やら甲高い声の女性の声が聞こえてきた。

「私の名はミモザ。お会いできて嬉しいわ。怪傑クロード、今は怪盗かしら?」

するとクロードがテーブルの近くで姿を現した。

但し彼の表情はよくわからなかった。

「コレクターミモザ。貴様にはわかっているはずだ。私が政府の密命を受けてここに来ていることもお忘れなく」

これはクロードだ。

政府の密命?

何の話なのか全くわからなかった。

「クロード。お前は何故、黒纏う騎士を私から奪わずに、交渉にきたのか?私には理解ができない」

これはミモザなのだろうか。

怪盗ミモザ、通称コレクター。

他国で政府の密命を受けて美術品を盗み漁っているという国際テロのリーダーの名だ。

もちろん背後に黒幕がいることも否定できない。