「そろそろ、ケリつけようかと思うんだけど」
「…?」
首を傾げると、千尋は小声で言った。
「琥珀はさっきのように攻めて、一回跳ね返されて」
「はっ!?」
ついつい大きな声を出してしまい、慌てて自らの手で口を塞ぐと、千尋も右手の人差し指を口に当て、シーッと合図する。
「大事なのは、その後だ――…」
千尋は更に声量を小さくして、作戦を私に囁いた。
「………いけるか? 踏ん張らないといけないけど…」
「……やろう?」
私の答えに、少し心配そうな顔をしながらも、千尋は妖化向き直った。
「はあっ!!」
私は、千尋よりも早く、妖化に飛び掛かった。
そして、作戦通り、跳ね返される。
跳ばされた距離は、さっきよりもさらに短くなっていた。
私が退くと、すかさず妖化の背後から、千尋が攻撃を仕掛ける。

