「大丈夫なのか?初めてだし、俺がひとりでやっても……」
千尋の親切に対して、思い切り首を横に振った。
千尋はそんな私を見るなり、一瞬穏やかな表情になる。
「行こうか。琥珀は好きに刀を振ればいい」
千尋は妖化を睨みながら刀を構え直す。
私は返事の代わりに、深く頷いた。
――タンッ!!
2人同時に地面を蹴り、構える妖化に飛び掛かった。
「はあっ!!」
私は、妖化に真正面から刀を振り下ろす。
妖化はそれを余裕そうに鎌で受け止めた。
千尋は、妖化の鎌が私の刀で塞がった時を見計らって、横に刀を振る。
しかし、妖化はそれにも敏感に反応し、力で私を振り払うと、千尋の攻撃を受け止めた。
「ぬるいぞ」
妖化、ニヤリと口角を上げながら、挑発的に千尋を見る。

