恐怖で声が出ない。
彼女を、信じられないという目で、ただただ見つめるしかできなかった。
怖い……!
今すぐ逃げたい……!!!
そう心の中で叫んでも、足がすくんで動けなかった。
妖化が口を開く。
「今回、ある人によって、私は解放された。そして、その人からあることを命じられたの」
あること……?
「それは、“佐野宮琥珀の耳飾りを奪え”」
「!!! 私の…」
「だからさぁ……ちょうだい?それ」
「ひっ!!!」
気付けば、少女だった妖化の顔も、いつの間にか化け物へと変わり果てていて。
ギョロリとした目が私をとらえる。
それさえも恐怖を感じ、目をつむった。
そして、必死に祈った。
誰か……!!!
「……ビビるんだったら、屋敷飛び出すんじゃねーよ、アホ」
「…え……?」

