「あとひとつ、良いこと教えてあげる」
「……何よ」
私の声は明らかに震えていた。
気づけば、身体全体の震えも止まらなくなっていて。
そんな私を見ながら、彼女は笑顔で地面を指差した。
「これ、なんだか分かる?」
「……」
指差していたのは、破かれたいくつもの御札だった。
「これがね、私を迷子にさせた理由」
「……何が言いたいの?」
「これのせいでね、私はここから動けなかったの」
“動けなかった”…?
それって……まさか……
「何十年もここで眠らされて、目覚めたら、町の景色は変わっていて……」
少女が肩を震わせる。
そして、ニヤリと口角を上げて言った。
「…もう分かったでしょ?この御札の意味」
「っ!!」
ゾクッと、背筋が凍るようだった。

