また町中を、カナちゃんのペースに合わせて歩く。
カナちゃんは、所々にある店に反応しながら、楽しそうに歩いていた。
でも、一向に家は見つからなくて。
気づけば、カナちゃんに出会った最初の場所に戻っていた。
「カナちゃん、元の場所に戻っちゃったよ?」
「ホントだーっ!」
きゃっきゃと笑うカナちゃん。
さすがに私も不審に思えてきて。
この子、全く家のことを言おうとしない…。
「カナちゃん。カナちゃんのお家はどのあたりにあるの?」
私が訊くと、カナちゃんは黙ってしまった。
そのあと、静かに口を開く。
「……ここだよ」
……え?
カナちゃんが言ったとは思えない声の低さに、耳を疑った。
本当に、カナちゃんなの…?
それに、この辺りには民家みたいな建物はない。
一体、どういう意味……

