「い、いきなりあんなことされたら、誰でも驚くって!それに……」



あんな、真剣な顔が近くにあったら……



「それに、何?」



「なんでもない」



「まあ、要するにだ。イケメンでモテる俺に触れて、ドキドキしない女子はいないって言いたいんだな?」



「なんでそうなる……」



私はため息をついた。



誰か、私の真正面にいるドヤ顔をした俺様ナルシストをどうにかして…!!



私は、一度月神から視線をそらしたが、再び月神を見た。



月神は、さっきからずっとニヤニヤしている。



「はぁ…」



「何だよ?」



「別に。ちょっと呆れただけ」



「何だよそれ。心配しなくても、俺が見たかったのはお前の耳飾りだから」



「何それっ!? 別に心配なんか―…え?」



驚いて、月神を見る。



月神の表情は、いつの間にか、真剣な眼差しへと変わっていた。