「えっと……すいません」



私は、下を向いたまま月神謝る。



「ったく、さっきのは効いたぞ」



「反省しております…」



あの後、最終的に捕まってしまった私。



そのまま牢屋にでも入れられるのかと思いきや、何故か、月神の部屋に連れてこられた。



私が正座する正面に、制服のジャケットを脱いでネクタイも外した月神が、あぐらをかいて座る。



彼の頬には、白い湿布が痛々しく貼られていた。



「お前…本当に女子か?」



「失礼な!!れっきとした女の子です!!」



思わず、顔を上げて月神を見た。



月神が、私を見ながら湿布が貼られた頬を静かにさする。



その動作が、さっきの出来事を頭の中でフラッシュバックさせた。



「えっと…その……びっくりしちゃって…」



「びっくり?」



てへ、と作り笑いをしてみると、思いきり睨まれた。