「また血の海にならないためにも強くならないとな」
颯が足を止めた。
彼に合わせて私も立ち止まると目の前に、見覚えのある大きな屋敷がたたずんでいて。
「ここって……」
「紳衛隊と風真の屋敷だ」
颯はそう言うと、ギィッと音をたてながら門を開ける。
私もあとに続いて、敷地内へ足を踏み入れた。
すぐ屋敷あるのではなく、しばらくは手入れされたきれいな庭が続いている。
「野々瀬さーん!」
屋敷の縁側に着くと、颯がいきなり叫んだ。
すると、中から「はーい」という明るい声が聞こえてきて。
奥から、長い黒髪をひとつにまとめた30歳くらいのきれいな女性が出てきた。
「月神くんじゃない。あら?隣の女の子は?」
「風真の新入り。悪いけど、いろいろ世話してくれないか?」
「りょーかい」
女性は颯との短い会話を終えると此方に視線を移した。

