「頑張りなさいな」
「うん!!」
いつの間にかサクが肩に乗っていて。
再び歩き始めた颯に引かれながら、私は空間の中へ入った。
入ってすぐ、目映い光に包まれる。
一度目を閉じ、少し経ってからまた開くと、そこにはもうあの江戸のような町並みが広がっていた。
夜なこともあって、大きな通りでも人通りは少ない。
青は皆が異空間から出たのを確認すると、2本足で立ち、前足同士を合わせた。
手のひらを合わせたまま、右足を外側へ90度回転させる。
すると、あっと驚く間もなく、私達の後ろにあった歪んだ空間が、渦を巻いて消え去った。
「こうやって出入口を消すの?」
空間があったところを見ながら隣に立つ颯に訊くと、「ああ」と短い返事が返ってきた。
「出入口の開閉は遣いの仕事なんだ。琥珀がこの世界に来れたのは、青が出入口を閉め忘れたからだよ。さ、行くぞ」

