そのあと、美春は私に柔らかな笑顔を見せた。



「琥珀が言えるようになったらでいいよ。一生言うつもりがないんだったらそれでいいし、問い詰めたりはしない」



美春の優しい言葉に、涙が溢れた。



反射的だって言っても、酷いことしたのは確かなのに、美春は放ったりしない。



「…私が美春に言っていないことはね、命に関わることなの。もし他言したら、そこから悪い奴に私の情報が漏れる可能性があるから……」



言えることだけを話す。



これだけでは、美春には何が何だか分からないだろう。



でも、これだけは言える。



「詳しく言えなくても、私は美春を信用してるから……!」



「分かってる。大丈夫だよ」



また、柔らかな笑顔を見せた美春に、「ありがとう」とだけ言った。



「以上、話終わり! ケーキ食べよっ」



「うんっ」