「ゴメンねー。のろのろしてたから、斬っちゃった」
千尋が黒い笑顔を見せながら、未琴に挑発する。
未琴は千尋に口を尖らせた。
「ひどいよぉ。お気に入りだったんだからぁ。でも……」
未琴は再びセーターの裏を探り、新しい札を取り出した。
「他にも式神は――… っ!!?」
未琴が目を見開く。
「!!?」
私にも、何が起きたかすぐには理解出来なくて。
一瞬の出来事だった。
さっきまで繋がっていた札が、未琴が切る前に真っ二つに切られていたのだ。
いつの間にか、月神は未琴の後ろで私達に背を向けている。
月神が、やったんだ……。
「すごいね!!見えなかったよ!」
未琴は尊敬の眼差しを月神に送る。
月神が背中越しに未琴を見ながら言った。
「……知ってるぜ。式神は特別な術を込めた刃物で切らないと、起動しない。ただの刃物で切ると、その式神の札は使えなくなる」

