月神が居た場所を見ながら、はしごを降りてきた本人に少し呆れながら言う。
月神はあくびをしながら「まぁな」と応えた。
「で?何の用?」
ベンチの背もたれに座る月神と、その隣に立つ千尋を交互に見ながら訊いた。
「……お前に言っていないことがひとつあるんだ」
「言っていないこと?」
真剣な表情の月神達に首を傾げる。
続きを話そうとする月神の眉間に、シワが寄った。
……そんなに重要なこと?
「お前は桜美夜行の力を手に入れた」
「うん」
更に月神の眉間にシワが寄る。
「力は解放すると、妖化を引き寄せる性質がある」
「え……?」
妖化を、引き寄せる…?
月神は少し間を置いて、ゆっくりと口を開いた。
「……つまり、お前はこれから、妖化などの危険な奴等に命を狙われることになったんだ」

