訳は分からなかったけど、私は自分のノートの端に、“わかった”とだけ書いて、千尋に見せた。
昼休み。
私は屋上へと続く階段を上った。
一番上の段を上り終えると、ギィッと重い扉を押し開ける。
「あ、来た来た」
屋上に一歩踏み出して、最初に目に入ったのは、真正面にあるベンチに座っている千尋。
「何か用?」
首を傾げて訊くと、千尋は「まぁまぁ」と笑顔で言うだけ。
「颯ー。 琥珀来たよー」
「っ!!?」
え!?月神!?
慌てて辺りを見回す。
しかし、月神の姿はひとつも無くて。
不思議に思っていると、頭上から「おー」という気だるそうな返事が降ってきた。
そう、月神は屋上で会った時と同じく、扉の上にあるちょっとしたスペースに寝転がっていたのだった。
「ホントに好きだね、あそこ」

