隣では、千尋が唇にシャーペンの頭を当てながら、「わかんねぇ」と頭をかく。
本人は気にしないか、気づいていないのどちらかだろう。
何故本人ではなく、隣にいる私が緊張しているのだろうか………
あの、周りが恐ろしいほど視線を送ってますよ、千尋君。
すごく怖いんですけど。
私に対する、鋭い視線を送っておられる方も数名いらっしゃいますよ、これ。
ふと、千尋が周りを見回し、女子に対して笑顔を見せた。
一瞬にして、女子達の目がハートに変わる。
すごいよ、イケメンは。
気を取り直して、計算式に取りかかる。
すると、千尋が誰も見ていない間に、私の肩をちょんちょんとつついてきた。
「…?」
振り向くと、千尋はノートの端に書かれた文字を私に見せる。
“昼休み、屋上来て”
え……?

