夏蔭高校の高2の3組は毎朝のごとく、嫌な空気が漂っていた。

「神風さんまた来たの?
もう来なくていいって言ったのに。」

その原因はクラスの中心にあって、それは私の幼馴染、神風雪に対するいじめだった。

「別にいいじゃん。
私がどう動こうがあなた達には関係ない。」

「うわっ、感じ悪いー」

「折角、ゴミくずに話しかけてやってるのに。」

雪の発言に周りがざわめき出す。

本当は前に出て止めたいけど、

本当は助けてあげたいけど、

私は弱いから…

「ごめん…」

誰にも届かないぐらいの声で呟いた。