冷たい…おでこに感じる冷たさで目を覚ました

「・・・私の家」

確か学校で倒れて誰かに運ばれた気がした
誰だっけ?んー…

「起きたのか」

ベットの近くまで寄ってきた蓮
思い出した蓮だ

「うん」
「具合は」
「へーきだよ」
「嘘つくな寝てろ」

まだ体はだるい感じはするけど
蓮を帰してあげないと風邪がうつるし

「だい・・」
「黙って寝ろ」

見事にさえぎられた
でも負けられない

「風邪うつるよ?」

自分でもわかるほど弱々しい声をしてる

「んなのかんけーねぇ」
「関係あるよ!」

今出せる精一杯の声だした

「・・お前が」

何か言おうとした蓮の言葉をさえぎり

「うつる・・」
と言った
今はその言葉しかでない

蓮は私に背を向けてベッドに座った

「お前が心配なんだよ」

優しく私に言ってきた
予想もしてなかった蓮からこんな言葉がでるなんて
そんな蓮の姿見たら笑っちゃうよ
誰かが傍にいると落ち着くすごく落ち着く
もう少しもう少しだけ傍にいてほしい
やっぱ今の私絶対おかしい

帰る訳でもない蓮の手を私は握っていた

「どうした?」
「・・なら、私が寝るまで傍にいて」

次に目を開けたらそこには誰もいない気がした
なれてるはずなのに今は寂しく寂しくしかたがない
風邪のせいかな
涙がでてしまう1人にはなれてるのに何で
こわくてしかたがない

「わかったから泣くな、ぶすがもっとぶすになんぞ」
「ひど・・」

心の中で蓮に「ありがとう」を何度も繰り返した



朝、目を開けるとそこには蓮がいた
内心驚いたけどホッとした
熱も下がったみたいだからもう大丈夫

「起こしてもいいのかな?」

蓮を起こそうとしたけど朝は機嫌が悪いし、このままもだめだし
…とりあえず朝ご飯作らないと

「んー和食かな洋食かな?蓮はどっち派だろう」
「和食」

後ろからの声にびくって体が反応したけど
そこには眠そうに目をこすっている蓮を見ると
何かかわいいかもと思えた

「わかった、できたら起こしに行くからまだ寝ててもいいよ」
「ん」

かなり素直な蓮がおかしくて笑いたくなる


「蓮?起きれる」
「あぁ」

本当に朝が苦手なんだ

「簡単なものしかできなかったけど」

蓮はそんなこと気にしないみたいな勢いで食べていった


私と蓮は学校の準備をして家を出発した
教室まで無言だったけど

「真海!もう大丈夫なの?」
「うん、もうバッチリ」
「では早速感想を聞きましょうか」
「感想?なんの」
「決まってるでしょ!お姫様抱っこと家での事」

沙耶は隣で寝ている蓮に聞こえないように話した
てかやっぱりあれお姫様抱っこだったんだ
重くなかったかな?

「ほとんど寝てたし、あんまり覚えてないよ」
「えーつまんない」

蓮って何考えてるんだろう
怒ったりするくせに優しいし
何するかわからない

「なんだよ」

私は無意識に蓮をみていた

「なんでもない」

軽く舌打ちしまた寝てしまった
ねぇ蓮
もしも朝に蓮がいなかったらどうしようと思った
でも手に温かくて大きな手があった
嬉しかった胸がドキッとしたけど
嬉しくて嬉しくて

「ありがと」

蓮に聞こえたかな?また独り言だとおもってる?
この言葉は蓮にいったんだからね

「ばーか」
「あ?」
「すみませんでした」

聞こえてるじゃんか