あの日から3年ぐらいが過ぎ私は高校2年生になった。
高校2年の5月に起きた出来事は私の思い出に、
深く深く刻まれた。

「はぁ~彼氏ほしいな~」

また始まった沙耶の彼氏欲しい宣言。
青木沙耶、私が中学からの友達。いつも無邪気に笑っている
そんな沙耶の顔は大好きだ

「沙耶いっつもそういってるけど...」
「け、けど何?!!」
「朝みちゃったんだー告白シーン♪」
「いやーーー!!何でみてるの!!」

みてるのっていわれても、たまたま見かけたようなもんで
けして盗み見した訳じゃない

「5月入ってから今日で何人目?」
「えーと3人かな?」

そんなに告られてるなら彼氏なんてすぐにできるじゃん!
ってツッコミたいけど、無理もない...
沙耶はすっごくかわいい顔しててツインに結ばれている
茶色の髪がめちゃくちゃ似合っている

「もーやだ!うち真海と付き合う!!」
「はいはい、ありがと」

私、山本真海は沙耶から告白されて約20回、
沙耶に告白した男子の皆さんごめんなさい。
彼女と付き合った彼はいまだ0、好きなタイプじゃないとかで
「そうだ真海!今日からバイトでしょ!?
 遊びに行っていい?」
「うん!もちろん」
「ヤッター♪」

多分彼氏(イケメン)探しだろうけど




そして放課後、沙耶と一緒に私のバイト先に向かった

「真海ってほんとにすごいよね」
「何で?」
「だってさー1人暮らしでしょ!それにお金も1人で稼いでるし...」

最後のほうを曇らしてしゃべったのは私を思ってのことだと思う
私の家はシングルマザーだったけど私が小さい時に母親は
私とおにぃをおいて消えてしまった
おにぃが働けるまでは親戚のおばさんにお世話になっていた
私が中学まではおにぃのお給料とおばさんの援助で通っていたけど今は自分で
稼いで高校にかよっている。全部じゃないけど
ちなみにおにぃは私より5歳上

「もうなれたよ」
「・・・ごめんね」
「何で謝んの!別にきにすることないよ!」

そう、全くきにしてない
だって母親の記憶なんて全くないし
今の暮らしもなかなか楽しいし!

「あっ!ついたよ沙耶」
「ここ?」
「うん!」

バスで6~8分ぐらい乗ったところにあるカフェが私のバイト先

「なかなかいいカフェだね」

ニヤリと笑う沙耶、やっと元気がでたみたい

「すみませーん今日からお世話になる山本です」

うわぁすごい人。まっほとんどが学校帰りの生徒だけど
でも、私の学校の生徒ではない

「あっ!バイトの子?すぐ入って!人手がたりないの!」
「はっはい!」

綺麗な人...



「おつかれー真海」
「いいね沙耶、のんきで」

初日から疲れたけっこうキツイ

「いやーありがとね!えーと・・・」
「山本です!山本真海といいます。よろしくお願いします!」
「あはは!別にかしこまらなくていいよ真海ちゃん
 私はここの店長の若葉よ、よろしく」

若葉さんか、名前がよく似合っている森とかにいそうな人

「そうだ!ケータイ今ある?あるならメアド交換しよっか」
「はい、お願いします」

えーと、若葉さんっと...よしOKだな!

「じゃあ今日はもうあがっていいから、それとこれ週予定ね」
「ありがとうございます」

「お疲れさまでした」と挨拶をし、沙耶ともバイバイをした。


バイトになれて早2週間、いつもと変わらない朝がきた

「真海おはよー」
「おはよ」

でも、いつもと少し違う朝になった

「?えっ?」
「いやっだから、その前から気になってたんだ」
「ジョーダン言わないでよ」
「本気だから!」

なんで、こんな展開になってんの?
今私は、同じ学年の武田くんに告白されてます

「だめかな?」

だめかな?って聞かれても...

「気持ちはうれしんだけど」
「・・そうだよな悪いないきなり」
「ごめんね、ありがと」

最悪だ、忘れたいあの過去を思い出しちゃった

「もったいないなー」
「なにが?」
「武田くんだよ!」

うっ!忘れたかったのに沙耶のアホ

「好きじゃない相手と付き合ったってしかたがないでしょ」
「そうだけどー」
「もういいの武田くんとは友だちって事になったんだから」
「真海」

??沙耶が珍しく真剣な顔してるどうしたんだろう
明日雨降るかな?なんてね

「どうしたの?」
「もう立ち直ったら?今はもう高校生だよ!うちは真海を思って言ってるんだからね」

沙耶の思いはわかってる、わかってるけど忘れてしまったの
あの日に

「ねぇ沙耶、沙耶は好きって何かわかる?」
「・・・」

何度も沙耶に話してること

「私はわからないんだ。恋をしたのに好きっていう気持ち忘れちゃった」

笑いながらそう言った
あの日から好きという気持ちがよくわからなくなって
人を好きになることが怖くなってしまった

「沙耶の気持ちすごく嬉しいよ」
「いいもん!真海にはうちがいるから!」

恋か、できるなら私もドキドキきゅんきゅんするような
恋がしたいな。無理だけど

「そういえば聞いた?あの噂!」

沙耶は立ち直りが早いよな。そこは沙耶のいいところだな

「あー不良がどうとか」

朝学校に来てたらしく噂になっていた

「そうそう!こわいよねー」
「沙耶はかわいいから気をつけないとね」

心の底からそう思う

「大丈夫だよ!その不良ここの学校だし」
「そうなの?」

どの学校でもいるんだなーそういえば中学の時にも
そんな人いたな

「そ、れ、が!めちゃくちゃかっこいいんだって!
 同じ学年だしー、一度でもいいから会いたいな~」
「そうかな」

さっきの恐怖心はどこにいったんだか...
でも、少し気になるかも


「大丈夫か?」
突然起きた出来事
「・・・チッ」
何なの??誰この2人



「真海じゃあね」
「バイバイ沙耶」

放課後、バイトが休みだったから沙耶と遊ぶ事になり
今の今まで遊んでいた

「はー今月ピンチだな」

お財布には一万、通帳に何円はいってたっけ
しばらくは節約しないとなー

「コンビニによろうかな」

駅から近いコンビニで、おにぎりと飲み物を買った
...さっきから誰かにつけられてるような気がする。こういう時はどうしよ
やっぱり逃げるよね?
私は全力で走った
でもだんだん後ろから音が近くなってきた

「いったい!」

右腕を強く腕を握られた

「何で逃げるのさ?」
「なんの用ですか!はなして下さい!」

誰よこいつら!5人くらいの男がいるけど全員知らない顔
私服ってことは学生ではない
大声出しても周りに家なんてないし
あるの川と空き地ぐらい、どうしよう...

「俺たちさーちょっと遊びたいんだよね
 でさー君をみかけちゃって、どう?遊ばない」
「嫌ですお断りします!」
「残念」
「はぁ?」

男はすっごくむかつく笑みをした、殴りたい

「やめてください」
「めんどくせーそっち側もつかんどけ!」

「へい!」と言った男が私の左腕もつかんできた
反抗すると強く腕を握られ、その痛みで手に
持っていた袋を落としてしまった
ぐしゃ...見事に踏まれてしまった
その時私の頭の中で何かがぷつりときれた

「いいかげんにして!」

声と同時に両肘で2人の男のお腹にパンチしてしまった

「っ!いってぇ」
「えっ!いやっあのわざとじゃないんです」

勢いというか、ノリ的な感じでやってしまったんです!
声には出せないけど

「調子のってんじゃねぇぞ!!」

男は右手に拳を握り振りかざしてきた
その瞬間ドスッという鈍い音が響いた

「・・・え?」

その音は私が殴られた音じゃなく、私を殴ろうとしていた
男のお腹に蹴りが入った音だった
そして男たちは次々と倒れていった
2人の男により...いや1人の男によって

「ちっ、行くぞ」

5人の男たちはすぐに逃げていってしまった

「大丈夫?」

突然起きた出来事

「・・・チッ」

なんなの?誰この2人

「また派手にやったなぁ」
「ふん」

同じ制服だ…

「どっか怪我した?」
「いえ、それよりも・・・」
「ん?」
「そっちの人の手から血が」
「あー気にしなくていいよ」
「でも・・・」

かなりの血が流れている

「なら!応急処置だけでも!」

そういって急いでハンカチを手に結んだ

「!!」

黒髪の男は驚いた顔をして行ってしまった
何かまずいことしたかな?

「照れてるんだよあいつ」
「そうは見えないですけど」
「同じ学校だね!何年?」
「えっ?!」
「大丈夫!そんな敵視しないで」

悲しそうな顔をしないでよ
すごく困る

「2年、ですけど」
「組は?」
「3組です」
「へーありがと!」

ニヤニヤして男は走って行った
なんだろう?
でも、すごかったなぁ1人で獅子のように食らいついていった
気持ちがフワフワして胸の底が熱くなるような気がした

「ちゃんとお礼できなかった…」