修学旅行も終わり寒さが増す時期になった

「うぅ寒い」
「手つなぐ?」
「いらないよ、私手だけは温かいからね」

私は直樹と蓮と一緒に駅向かっていた
蓮は家に帰るだけだけどね

「蓮寒くないの?」

私と直樹はマフラーなどつけて寒さをしのいでるけど

「邪魔だし、いらねぇ」
「風邪ひいてもしらないよ」

別に私が心配しなくてもいいんだけどね
駅に着き電車に乗り込んだ

「直樹こないの?」

直樹は隣にとまっている電車に乗り込もうとしていた

「あぁ今日は真っ直ぐうちに帰るわ」
「そうなんだ」
「また学校でな
 蓮におそわれたら連絡しろよ」
「なんでそうなるの!」

そしてドアが閉まってしまった

「直樹の家ってあっち側なんだね」
「あぁ」

私とは逆の方向だったんだ

「うわっ!」

考えてたらポールに掴まるの忘れてて転びそうになったけど
蓮が支えてくれた

「ありがとう」
「次は手貸さねぇからな」

いつものパターンで蓮はとうとう呆れてしまった
だけどその呆れ顔のなかに何かがあるような気がする

「なに見てんだよ」
「あ、いや鼻赤いなーって思ったから」
「・・・」

とっさに出た言葉だったけど
よく見れば鼻が赤い…

「やっぱり寒いんでしょ?」
「寒くねぇよ」
「嘘だね、手貸して」

蓮の手を握ったら予想通り冷たかった

「ほら、冷たいじゃん!」
「・・・」

蓮は私の手をぎゅっと握ってきた

「あったけぇ」
「ちょっと私はホッカイロじゃないんだけど」
「寒くて死ぬ」

ついさっきまで寒くないって言ってたの誰よ
顔が赤くなっていく
蓮の手こんなに大きかったんだ
私の手よりも大きくてごつごつしている男の人の手
何か話して気を紛らわせないと
頭がパンクしちゃいそう

「まっマフラー買いに行かない?」
「はぁ?」
「えーと明日バイト休みだし、ね行こう?」
「考えとく」
「じゃあ私も放課後あけてこ」
「行くって言ってねぇだろう」
「拒否権はありません」

蓮と喧嘩してれば大丈夫だよね

「覚悟しておけよ」
「えっ!?」

蓮の顔を見上げたら
蓮は握っていた私の手を口元に運び軽くキスした

「・・・」

声がでない
今の私の顔はきっと最高潮に赤くなってる

「顔あか」

胸が熱くてぎゅっとなってドキドキなっている
今にも倒れそうだ

「ばか・・」

やっとでた言葉でばかって意味がわかんない

「明日が楽しみだ」

もう無理心臓が破裂する…
今すぐ逃げたいけど蓮と繋いでるこの手を離したくない
私ってばかだ



「真海今日バイト休みでしょ?遊ぼー」
「ごめん今日は用事があるんだ」
「えー」
「ほんとごめん!」

あっという間に放課後…
蓮との約束を沙耶にはいえないでいたけど
すぐにばれそう

「まぁしょうがないか、楽しんできてねー」
「沙耶…」

やっぱり気付いてる

「じゃあまた明日ね」
「うん!ばいばーい」

沙耶楽しんでるよ
大丈夫だよね

「ごめん蓮」
「・・・」

怒ってるすごく睨んでる

「ごめんなさい」
「・・・」

蓮は歩き出した
どうしよ機嫌なおさないと
でもどうやって
ドン、考えて歩いてたら何かに当たってしまった

「前見て歩けよ」
「あ、ありがと」

蓮の後には自転車が何台か停められていた

「ほら」
「えーと?」

蓮は私に手をさしのべてきたけど
繋ぐってこと?

「・・・」
「ちょっと蓮速いよ」

私の手を引き歩きだした
昨日から思っていたこと蓮と手を繋ぐと
なんでか落ち着く

「なに笑ってんだよ」
「なんでもない」


沙耶といつも一緒に買い物しているショッピングセンターで
蓮のマフラーを探していた

「蓮っていつもどこで服とか買ってるの?」
「そこ」
「え?」

蓮が向いた方向には、ぱっと見カジュアルな服が多い店があった

「意外・・・」

そういえば夏の時もシンプルな服装だったな

「そこでいいか?」
「うん、もちろん」

店に入ったらカジュアルな服が多いけど
レザージャケットとかちょっと蓮っぽいのもある

「ねっ!これどう?」
「・・・赤?」
「ワインレット色、私はこの色好きなんだけど」
「・・・」

「ありがとうございました」と定員さんが言った
結局蓮は私が個人的に好きだったのに決めちゃったけど

「蓮ほんとにそれでよかったの?」
「別に俺はどれでもよかったし」
「ならいいんだけど・・あ、蓮ちょっとそれ貸して!」
「あぁ?」
「待っててね!」

私は蓮からさっき買ったマフラーを持って店に戻った


「なにしてんだお前」
「はい、これ」

すぐにつけれるようにお店に戻り値札とか取ってもらった

「ほらつけて!」
「ん、・・・」

蓮はマフラーを巻いた
…かっこいい
思わずみとれてしまった

「文句あんのかよ」
「違うよ、すごく似合ってる!」
「あ、んその、」
「どうしたの?」
「・・・ありがとな」

蓮がありがとって言った…
顔が赤くなるのをマフラーで隠しているけど見えてる
そのとき、

「・・冷たい」
「雪・・・」

空から降ってくる白い雪

「うわー初雪だね蓮」
「ふ、やっぱ真海はガキだな」
「雪見たら誰だってうわーってなるでしょ!」
「誰でもって訳でもねぇだろ」
「夢がないなー」

人を子供扱いして
まぁ雪で喜んでれば子供扱いされてもしかたがないか

「ねぇ・・?!」

ぐいっと引っ張られて私は蓮の方へと引き寄せられた

「覚悟できてんだよな?」
「えっ!?蓮??」

いつの間にか人通りが少ないとこに来ていた
蓮は私の顎を上げて顔を近づけてきた
どうしよ体が動かない、蓮の目を見てればそらすタイミングが
わからなくなる

私は目をつぶってしまった

「そーゆとこかわいいと思う」

耳にキスされて予想外の言葉がきた

「え?」
「口はお預け」
「!!」

なんで変なとこで大人の感じだすのかな

「ばか」
「ばかで結構それとも口にしてもらいたかったか?」
「違う!!」

少し笑い蓮は私の手を引き歩き出した
意地悪なとこも好きだなぁ

あれ?今私なんて思った好きって思った?

「え・・?」
「なんだよ」

私蓮のことが好き?

「なんで顔赤いんだ?」
「うっ、」
「う?」
「嘘だぁ」
「はぁ?なにがだよ」

蓮のことが好き
この気持ちが好きって気持ち

蓮あなたが好きです