私はまだ幼いため
字は読めなかったが

母が手紙を読んだ後、
私と兄であるロイドは
剣術により一層励むこととなった。

それで察した。幼い私でもわかる。


それから幾年かし、
15になった私は母に父からの手紙を渡され
自分が剣術に励んできた意味に
より確信が得られた
私は間違っていなかったと。


ぼろぼろになった手紙をひらく

「この手紙を読んでいるころには
私は国の英雄となって、命を全うしたことだろう

まず我が妻、キャシアに伝える・・・・」


まず、母のキャシア宛て
次に兄のロイド。

そして私だった。



私には他と比べてシンプルな言葉しか手紙に書かれておらず
少し寂しいような気もしたが、そこにはちゃんと
愛情が込められていた。


「私は空を見ていると元気になる。
サリエはどうだ?
空を見ていると元気にならんか?
でも空よりも下、私たちの周りを
みてごらんなさい。
空と比べてこころが曇ってる。
時には怒り、憎しみで雨も降りそうだ。
私はそれが見てられなくて
騎士として、
平和を築くために命を全うした。

サリエ、君には

戦争をなくし、ロイドと共に
英雄になってほしい。」