根暗さんと総長くん


「……あーあ」



 何度目かわからないため息をつきながら、私は帰り道を歩いていた。


 七月にもなれば太陽は眩しいほど輝いているのに、私の気分は絶賛だだ下がり中。


 盗み聞きをしていたのが悪いといわれてしまえば、そうなんだけど。


 私だって掃除を頼まれなければ、あんなところに行ったりしない。



「本当に、私って青春を無駄遣いしてる……」



 中学生の時は、高校生なれば自然と楽しい毎日が待っていると思ってたのに。


 やっぱり、現実って厳しいらしい。


 そんなことを思って項垂れていると、不意に曲がり角から人影が現れた。