壁にもたれかかっている黒髪の女の子と、キスでも出来てしまいそうなほど近い場所にいる明るい茶髪の男子。 二人は驚いたような表情で、こちらじっと見てきた。 これは、キスができてしまいそうというより、キスをしようとしていた場面じゃ……。 いたたまれなさと恥ずかしさとで、自分の目が泳ぐのを感じる。 「あ、あの、失礼しましたッ」 それでもどうにか謝って、ホウキとちりとりを持って私はその場を逃げ出した。 ああ、もう! ついてないッ!