「野崎さんって、いっつもひとりでお昼食べてるよねー……」


「お昼どころか、誰かと一緒に行動してるところも見たことないけど」


「だって『近寄らないで』オーラハンパないんだもん。話しかけるとかムリー」


「っていうか、あんな根暗に話しかけようとするヤツなんていないって」



 教室の中心で明るくお昼を囲んでいる女子四人は、そう言ってアハハと楽しげに笑った。


 その話題の中心人物が同じ教室にいるっていうのに、まったくもってお構いなし。


 いるんですよ、私。


 教室の最後列、窓際にいるから気づかれていないのかもしれないけど。


 『野崎さん』であるところの私、野崎真白(のざきましろ)はここにいます。