「透、大好きだよ。」







ッギュ






私が握っていた透の手、透は私の手を握り返してくれた。








「と、おる?」








「香菜・・・。」








私は急いで、ナースコールを押す。






透・・・私のこと気づいたんだね。・・・よかった。よかった。





透は、泣いている私を見てふっと笑った。泣き虫。そうつぶやいたように私は感じた。





私は、ほっぺをふくらませて泣き虫じゃないもん。そう言って笑いながら涙を流す。