咲子はくやしそうに
「確かに、あたし１人でこの“要塞”から脱出するのは危険よ？でも･･･誰かが犠牲にならないと」

「ぎ、犠牲？」

「いいの！気にしないで！」
遠くを見つめる
「あたし･･･みんなと出会えてよかった」

「･････････。」

アゼンとする奈美に、握手を求める
「もし、あたしの身に何かあっても･･･忘れないでいてくれる？」
涙を浮かべながら微笑む咲子

「う･･･うん」
うなずく奈美

二人は固い握手を交わした

「･････････行ってくるわッ！」
ヒラリと身をひるがえすと、咲子は出口に向かって駆け出した