「いっちゃんが進んでるだけじゃないの」 「大抵の人は私と同じ意見だよ」 「そうかな」 「そうかなぁ」 ふと、後ろから聞こえた声に振り向くと、2つの紙パックを持った風間くんがいた。 自販機はここから歩いて3分の距離にあるのに、息も切らさずこの早さ。 さすがだよ風間くん。 「伊東が進みすぎなんだよ」 「はぁ……和泉と同じこと言わないで」 「和泉さん、ほら」 投げられたものを両手でキャッチする。 ……大好きな苺ミルク。 頬を緩めて顔を上げると、風間くんも片方の口角を上げてニヤッと笑った。