『昴さまーーっ!』
『こっち向いてーー!』
『キャーキャー!!!』
うるさっ!
昴とか誰だよ。
「わっ!優紀!昴さまだよ!」
「ねぇ、美緒までどうしたの?さまなんて付けちゃって」
「知らないの!?ちょー美形のイケメンくん!今までで何十人の女の子と付き合ってきたって噂!」
私が歓声の方に目をやる。
すると、
茶髪にふわふわな髪の毛。
シュッとした輪郭に
足が長くて長身。
「わっ、あの人――」
「優紀!見てわかったでしょ!?」
「誰??」
ズコッ。
美緒がまるでマンガの世界のようにコケた。
「美緒・・・?大丈夫?」
「だ、大丈夫よ。はぁーー。優紀ってば、ほんとに恋とかできんのかなぁ・・・・・」
美緒がなにかを呟いたけど
私にはなんて言ったかわかんなかった。
こんな些細なのが
私とあんたの出会い―――。

