「昴っ!なにやってんのさ!」
優紀が大声をだす。
30mぐらい離れてる。
「話、聞いちゃった」
俺は言った。
「圭二くんの話?」
「うん、ごめん」
優紀は怒ってるだろうか。
それだけが心配だった。
「いいよ。別に」
優紀はいってくれた。
それから二人の間に長い沈黙が訪れた。
そして、俺がその沈黙を破った。
「俺さっ、何人もの女と付き合ってるって噂流れてるけど、あれ嘘なんだ!まだ、誰とも付き合ったことないんだよ!」
「え――」
昴はハハッと笑った。
「こんなこと、恥ずかしくてさ。言えなかったんだよ。イメージ変わっただろ?」
俺は優紀に嫌われんじゃないかって思った。
だけど――
「知ってたよ。なんとなく」
「え?」

