「TV見たー!?」

「うん、見たよ」

無邪気に話しかけてくる凛斗は昔と変わらない。

「俺カッコいいっしょ!」

「自分で言うなって!」

アイドルなんて、好きじゃなかった。

遠い存在すぎて実感がなかった。

「ねぇ凛斗。今楽しい?」

「は?うん」

TVで見た凛斗はキラキラしてて、

本当に遠い存在だった。

「いいな、凛斗は」

カッコよくていいな

キラキラしてていいな

みんなに好かれていいな

本当に・・・いいな


手を伸ばしても届かなかった。

いつも隣にいたのに・・・