「こわかったっ…」
涙が出て止まらない…
そんなあたしに高野くんが近づいてきて優しく抱きしめた。
「お前バカだろ。
ちょっとは警戒しろよ。」
「だ、だって…そんな悪い人に見えなかったし、今までだってこんなことなかったんだもん…!」
「…はいはい。気をつけろよ。」
冷たい口調とは逆にあたしの頭を撫でる手はとても優しい。
…余計に泣けるよ…
「っていうか!補修あるんでしょ!離れてっ…」
「あんなのウソに決まってるだろ。」
…え?
「じゃあ何で来たの…?」
「保健室行こうと思ってそこ通ったら、お前が大倉とここ入んの見えたから。
あいつ、いい噂ないしな。」
え、高野くんいい人じゃん…
「…ありがとっ!」
「ああ。」

