静かな和室に、張り詰めた空気が流れていく。
外で鳴くせみの声が、妙にうるさく聞こえた。
「……わかりましたね」
そう言って私は添えていた手を離し、動揺を悟られないように絡んだ視線をすぐに外した。
彼の目に捕らえられているときの1秒は、すごく長いものに感じられた。
逆に胸の鼓動はどくどくと速さを増していて、頬も熱く火照っていく。
手を放して自分の席へ戻る私は、背中に彼の視線を痛いほどに感じていた。
相手はまだ18の子供、私はもう25になった女。
7つも下の彼に、変な動揺を見せた自分が恥ずかしかった。
「意外と……かたいですね」
そう呟きながら、はさみの刃を枝に深くかませる彼。
肩を上げて力を入れる姿を見て、私はにこやかに口元を緩めていく。
この時の私たちは、互いに男女を匂わすかのような空気を放ってはいなかった。
だが、その日から私は彼を男性だと意識し、そして花に触れる彼の姿を楽しむようになっていった。
この頃から少しずつ、私は彼の魅力に惹かれていった。
同時に、自分の歳を気にするようにもなったのだ。
外で鳴くせみの声が、妙にうるさく聞こえた。
「……わかりましたね」
そう言って私は添えていた手を離し、動揺を悟られないように絡んだ視線をすぐに外した。
彼の目に捕らえられているときの1秒は、すごく長いものに感じられた。
逆に胸の鼓動はどくどくと速さを増していて、頬も熱く火照っていく。
手を放して自分の席へ戻る私は、背中に彼の視線を痛いほどに感じていた。
相手はまだ18の子供、私はもう25になった女。
7つも下の彼に、変な動揺を見せた自分が恥ずかしかった。
「意外と……かたいですね」
そう呟きながら、はさみの刃を枝に深くかませる彼。
肩を上げて力を入れる姿を見て、私はにこやかに口元を緩めていく。
この時の私たちは、互いに男女を匂わすかのような空気を放ってはいなかった。
だが、その日から私は彼を男性だと意識し、そして花に触れる彼の姿を楽しむようになっていった。
この頃から少しずつ、私は彼の魅力に惹かれていった。
同時に、自分の歳を気にするようにもなったのだ。



