恐ろしい夢を見るようになってから、黒百合の花に憑かれているような気がする。
「……あ」
憑かれていると思った瞬間、私はある言葉を思い出した。
この家に生まれた私は、幼い頃から花に囲まれていて、物心がついた頃から、花の全てを知りたいと考えるようになった。
そして、小学生のときは花言葉に興味を持ち、様々な本を集めていたことがある。
私は急いで体についた泡を洗い流し、自分の部屋へと戻った。
髪の毛先から垂れる水滴も気にせず、本棚の中をあさる私は「花言葉」と書かれている本を引き出して、黒百合の花が載っているページを探し出す。
「自分の記憶が正しければ」と思う私は本を手にしているとき、何か恐ろしい物に触れているような気持ちになっていた。
庭の木にとまる蝉の声は、窓を閉めていてもうるさいほどだ。
太陽の光が強いせいか、電気をつけているのにこの部屋は暗い。
足を崩して本棚の前で座っていた私は、黒百合の花言葉を見た瞬間、その本さえも気持ち悪く感じた。
手を放したせいで、本は膝の上から落ちていく。
「……呪い」
本に載っている黒百合の花は、じゅうたんの上から私を見ているような気がした。
「恋」や「呪い」という言葉を持つ花。
だからといって、こうなった理由などはわからない。
「……あ」
憑かれていると思った瞬間、私はある言葉を思い出した。
この家に生まれた私は、幼い頃から花に囲まれていて、物心がついた頃から、花の全てを知りたいと考えるようになった。
そして、小学生のときは花言葉に興味を持ち、様々な本を集めていたことがある。
私は急いで体についた泡を洗い流し、自分の部屋へと戻った。
髪の毛先から垂れる水滴も気にせず、本棚の中をあさる私は「花言葉」と書かれている本を引き出して、黒百合の花が載っているページを探し出す。
「自分の記憶が正しければ」と思う私は本を手にしているとき、何か恐ろしい物に触れているような気持ちになっていた。
庭の木にとまる蝉の声は、窓を閉めていてもうるさいほどだ。
太陽の光が強いせいか、電気をつけているのにこの部屋は暗い。
足を崩して本棚の前で座っていた私は、黒百合の花言葉を見た瞬間、その本さえも気持ち悪く感じた。
手を放したせいで、本は膝の上から落ちていく。
「……呪い」
本に載っている黒百合の花は、じゅうたんの上から私を見ているような気がした。
「恋」や「呪い」という言葉を持つ花。
だからといって、こうなった理由などはわからない。



